時間へコンテンツ消費をあてはめるために、テレビに代表される同期的・受動的消費からインターネットに代表される非同期・能動的消費にシフトしつつあるとされる。 この動きは一部にのみ見られる現象なのか、それとも今後一般層にまで広がるようになるのかは、現時点で結論づけることはできない。
テレビを中心に、ユーザーのコンテンツ消費に対する保守性が以前から指摘されている一方で、インターネットユーザーの問では、テレビなどのメディアの接触時間が減少しているという報告もなされている。 中期的には非同期・能動的消費への対応が、産業全体にとって死活問題になってくることは、コンテンツ産業の既存プレイヤーも十分認識しているであろう。

また、従来からオンデマンドのコンテンツ配信やコンテンツのデジタルライブラリー化が、変化するコンシューマーニーズの受け皿となることが期待されてきた。 しかし、先述の通り、現状ではコンテンツ配信の普及は進まない。
その要因は何であろうか。 コンテンツビジネスは「権利ビジネス」といわれているように、制作コンテンツを複製・配布・販売する権利をコントロールすることによって、利益を最大化する活動であるといえよう。
そのために、コンテンツ産業のさまざまな企業や団体は各種の技術・メデイアの登場のたびに、さまざまな働きかけを通じ、著作権および著作隣接権の適用範囲を拡張し続けてきた。 今日ではコンテンツの私的利用の範囲内にまでその影響が及んできている。
先述の通り、コンテンツ配信にも旧来のビジネスを保護するために、がんじがらめの仕組みを入れなくてはならなくなってしまった。 また、旧作コンテンツをネット配信するために、権利処理に莫大な時間とコストがかかってしまう。
本来、著作権の枠組みは、権利者の創造性にインセンティブを与えるものだったはずなのが、コンテンツ配信においては市場の拡大を阻害する力が強くなってしまっているといえよう。 既存のプレイヤーは旧来の枠組みに縛られるため、これを破ってコンテンツ配信にのみ柔軟な収益モデルを導入することは難しい。
特にインターネット上でコンテンツの不正流通が横行している中では、対応は慎重にならざるを得ないだろう。 既存のプレイヤーではこのジレンマを打ち破る役割を担うのは難しいであろう。
この状況を打ち破る可能性があるのは、自らコンテンツの権利を有し、さまざまな試みが可能なコンテンツの制作者であろう。

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